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Alchemy Reel Model 44 "Limited Silver-Plated" [メーカーが語る"Alchemy Reel"の秘密]


Alchemy Reel Model 44 "Limited Silver-Plated"

フライフィッシング・ショウ用に、限定で製作した"Model 44"の銀張りバージョンです。

無垢のアルミ素材の持つ質感にも素晴らしいものがありますが、暖かみを帯びた銀独特の色合いや質感が漆黒のハードラバーと相まってひと味違った雰囲気を醸し出し、小さなリールですが素晴らしい存在感を持っています。

便宜上、銀張りという言葉を使っていますが、このリールのフレームには通常の銀メッキと比較して10倍以上の厚さがある、膜厚50ミクロン(0.05㎜)の銀をフレームにメッキしてあります。

この50ミクロンの厚さの銀被膜は長年の仕様にも剥げることなく、使い込んでいくと銀独特の酸化によっていぶし銀色に変色していきます。また磨くことによってもとの銀色にもなり、好みに応じて色合いの変化を楽しむことができます。


ハードラバー製サイドプレートに写り込んでいる背景を見ていただくとわかるのですが、
ハードラバーをを手で磨き込んでいますので、機械加工では出せない微妙な曲面が味わいになっています。

「海フライ」を始めてから、これまでよりもより強く感じるようになったのですが、
渓流のフライフィッシングのための道具には、機能性を追求するというよりも、
視覚や触覚を始めとする、
「五感にうったえかけてくる味わい」
を求めるようになりました。
感覚という微妙であいまいなモノ、それをもっと大切にしようと思うようになったんですね。

渓流の山女魚や岩魚、サイズからいえば大したことのない魚ですよね。
こんな小さな魚を釣ることは、漁として考えればつまらないものです。
しかし、この国には大小や多寡を超えた楽しみ方、
小さなモノに無限の広がりを感じる感性が流れています。
小さなモノと遊ぶコトの楽しみ方を知っている人が多い、といえると思います。

フライフィッシングは趣味の世界です。
楽しみ方はそれこそ無限にあると思います。
ひたすらパワフルな魚、大きな魚を求める釣りもほんとうに楽しいです。

しかし、山の中を流れる渓流に入って、小さな、でも美しい渓の精のような山女魚や岩魚を釣る。
そのとき、釣り人自身すらも渓の森や水や空気とひとつになっているような気がします。
その時、僕は違和感のある道具を手に持っていたくはないのです。
自分の感性や意志、思いが毛ばりの先にまで伝わるような道具を使いたい。
僕の場合、その道具が竹竿だった。
よくできた竹竿は毛ばりを投げるのではなく、毛ばりをスッと流れに置いてくれます。
そこには、毛ばりと手との間に断絶はありません。
すべては自分の意志のコントロールの下にある。
そんな竹竿が、世界には確かに存在しています。

その珠玉のような竹竿に合うリールってなんなのだろう?

美しい渓の流れや空気になじむように、そして素敵な竿との違和感がないように。
そう考えることから生まれてきたのが、僕が作るこれらのリール達です。

でも、それは見た目がよければいいだけではありません。

渓流で使うリールなんか単なる糸巻きだ、なんて考え方は、嘘っぱちです。

壊れない、バックラッシュしない、糸をフレームに巻き込まない、そして長年の使用に耐える。
これらのちゃんとした機能性が必要なんです。
ノブをつまんで回転させたときの、触覚や聴覚という微妙なフィーリングを満たすチューニングも必要です。
リールがこれらの渓流で使うための機能性を満たすことができたとき、
外形のデザインが、始めて意味を持つのです。

構造的な問題を理解せずにおもしろい形だけを作ること、
それではフライリールとはいえません。
フライリールはオブジェではないのですから。


銀張り仕様の"Limited Silver-Plated" は
Model 44、 Model 50、それぞれ各2台ずつの限定製作です。

お問い合わせは下記リンクへ
アルケミータックル



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