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竹竿をひん曲げながら考えたこと [フライロッド!(素材にかかわらず)]

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宮城県某河川、雪の中の解禁日 2008/03/01
Jim Hidy 8'6"#5 & Alchemy Model 50

解禁日から20インチクラスの虹鱒が釣れるという川まで出かけてきました。
吹きだまりでは腰まで埋まる川原の雪にズボズボはまりながら氷水のような川に浸かっての釣りは、なかなかに面白かった。
プールの虹鱒は、すこし状況がよくなると巨大なドライフライにガボッと反応してくる。
それも、なぜかあるひとつのフライだけに。
ハッチしているのは小型のユスリカとクロカワゲラなんですけどねえ・・・

僕は、そのドライフライにミッジニンフをドロッパーに結んだ、
二兎を追う者は一兎をも得ず?方式のダブルリグでやってましたけど。
けっこう好きなんですよね、ドライ&ニンフのダブルリグって(^^

この体液も凍りそうな低水温でも餌を食ってくるのだから、魚というのは不思議な生き物です・・・

さて、ここからは前回に続いてお道具の話し。 

釣るための竿としては、
(獲るための竿、って言い換えた方がいいかもしれませんが)
硬いよりも柔らかい方が抜群にすぐれているのではないか?

というお題についてです。

この某河川、放流物とはいえでっかい虹鱒が釣れるんですね。
フッキングした瞬間に暴力的ファーストランが始まってしまった場合に魚を制御するテクニックは、まだまだよくわからないのです。
リールのテンションだけのほぼフリーにして、走れる場所では走って付いて行くぐらいで、後は魚におまかせ!ってのが現状ですね(笑)

フッキング後に少しの静止時間っていうのか、魚が動き出すまでにわずかな溜めがあった場合、ネチッとした弾力性に富む竿で、じわ~って感じで負荷を掛けていくとある程度のコントロールが効くし、初動でフックを弾かれない確率がかなり高くなるように感じます。
ただ、まったく同じ状況でいろんな竿を使ってみるということは不可能なので、その差は確率の問題って程度だといえるかもしれません。

竿の弾力性が効いているコトをはっきりと実感できるのは、寄せに入ったときからです。

普通、魚とやりとりをしている最中の竿の曲がりは、ひらかなの「へ」の文字を緩やかにしたような形になっていると思います。
プログレッシブアクションの竿は、この「へ」の字の曲がりの頂点が負荷に応じて手元の方へ移動してくるわけです。
で、その頂点がどんどん下へ移っていって、あるところで移動がほぼ止まりティペットの強度限界が先に来れば糸が切れる。不幸にも竿の強度が糸の強度より弱ければ、その時点で竿はぶっ壊れる、と。

それを防ごうとすると、竿を引っ張り加重の方向に対してもっと大きく立てていって竿の曲がりを「へ」の字からアルファベットの「U」の反転型にすればいいのではないか?ってことになるのですが、それが上手く行かない場合が多いんですね。
極端に言えばアルファベットの「J」の反転型に先っぽだけ曲がって、その「J」の頂点でポッキリ逝ってしまう。ラインへの負荷がティペットの断裂強度までいかないうちにね・・・
だから、この手の竿の場合、引っ張り方向に対して大きな角度で竿を立てられない。

現代のほとんどの竿は、
負荷に緩い角度で対応している時にのみプログレッシブに負荷を吸収する設計になっている。
ように感じます。

なぜかって考えると、曲がる角度が小さいキャスティングの時に、負荷の掛かるポイントをスムーズに移動させることに重点を置いて設計しているからだと思うのですが・・・
まあ、ぶっちゃけ、キャスティング性能を重視するあまり、魚が掛かってからのことはあまり深く考えてないような気がするんですよね~

もうひとつ、竿の設計上で曲がりを大きくできない原因があるのではないかと思います。
それは、スパインの問題です。
スパインのねじれている竿は、大きく曲げるとグルングルンって感じるブレが発生して、スムーズに魚を寄せられない。
その感触はメッチャ気持ちが悪いので、おそらく誰にでもわかって、
「なんじゃ、この竿はアカンやん」
ってなるんじゃないかな。

でも、スパインをビシッて揃えた竿を作るのってかなりの手間が掛かるし、セクション内でもスパインがねじれていて製品に出来ないブランクも出る筈なんですよ。
それを避けようって思ったら、メーカーとしてはあんまり曲がんない竿を作ればいいんですよね~(^^ゞ

最近、この「スパインの揃え方の違い」ってことですごく印象に残った竿があるんですね。
ここであえて名前を挙げると、同じ黄色いブランクの2本のグラスロッド、
マリオ・ウジニッキの黄色いのと、スコットの企画物グラスロッドです。
ほぼ同スペックにもかかわらず、その性能は雲泥の差、月とスッポン・・・
ま、どっちが最高でどっちが最低か、なんてことはあえて言いませんけど(笑)


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