LOOP MODEL 3W ループ3W(海フライリールの私的考察、その4) [フライリール "Fly Reel"]
LOOP MODEL 3W
LOOP初期の無骨なまでにエッジの効いたカクカクしたモデルではなく、
最近の(ってもだいぶ前だけど・・・)フレームやスプールなどのエッジが丸くなってからのモデル。
もちろんカウンターバランスを持ったシングルハンドルも後期型の特徴です。
ちなみに、ちゃんとLOOPと書いてあるモデルです(笑)
ただ、フレーム裏面下側に
DESIGNED AND MANUFACTURED BY DANIELSSON INNOVATION AB SWEDEN. PAT.PEND
と小さく刻印されています。
今はダニエルソンブランドで売られているこのリール、もともとダニエルソンがデザインして作ってたわけですが、どういうわけかオークションでは「るーぷ」ブランドの方が人気があって高価だったりします(--;)
記憶にある限りでは、はじめて世に出たラージアーバー、おまけにフレームにセンター軸がなく、スプールはドーナッツ型で真ん中が抜けている!という、画期的というかとんでもないデザインのLOOPリール。
僕はクラシックリールが好きで、その系列に連なるであろうリールを作っているメーカーであるにもかかわらず、このLOOPのリールは好きで、小さなModel 1から最大のModel 4までいろいろ持っていました。
今、手元に残しているのはこのModel 3Wだけです。ということは、LOOPのなかでこのModel 3Wがいちばん好きってことなんですが・・・
僕にとってラージアーバーのリールを使うのはダブルハンドかソルトウォーターに限られています。
これらの釣はそれなりにぶん投げる。
おまけに狙う魚がデカイので、
巻き取りが早くてランニングラインに巻き癖が付きにくいってことが重要になってきます。
なぜModel 3Wなのか、という理由はただひとつ、
ワンサイズ小さなModel 2Wではラインキャパシティが足らないのです。
このループ、完全なラージアーバー形状になっているだけあって、直径がデカイわりにはラインキャパシティが小さいんですよ。
でも、海フライやダブルハンドでデカくて走る魚を釣るのに、このLOOPみたいにドラグが無くてもいいのか?
という疑問があるでしょ。
これはね~、軽くて高性能なドラグがあるにこしたことはないのですが、
まあ、その辺はお楽しみということで・・・(笑)
自分ではスチールヘッド&サーモン、シーバスことスズキさんが対象だと、魚と適当に遊べるという感じです。
ただ、カツオやシラには、今のところ使おうとは思いません。
これから先も、たぶん・・・
もし、毎日海に出られるのなら、魚により大きなハンディを与えるために使うとは思いますが、
シーズン中に指で数えられるぐらいしかオフショア船に乗れないんじゃねえ・・・
LOOPリールメカニズムの核心部、ボールベアリングを内臓した樹脂製ローラー
スプールを表と裏計6個のローラーで両側から挟み込むことで、スプールに仮想センターシャフトを作りだし、センタービスを締め混んでスプールを挟み込む強さを変えることによって抵抗を増やして、スプールが回転するときの抵抗の強さを変えることが出来ます。
ただ、締め付けるビスのテンションをいくら強くしたからといっても、バックラッシュを防止する程度の抵抗ぐらいにしかなりません。
ドラグは自分の手でスプールエッジを押さえることで掛けることになります。
クリックリールのCFOやマーキスを使って大きな魚とやりとりする場合と一緒ですね。
そうそう、このLOOPリールを使いこなすコツですが、
※①釣に使うとき以外は、絶対にセンタースクリューをユルユルに緩めて、樹脂ローラーとスプールが圧着されていない状態にすること。
(スプールを回したときに回転がカックンカックンとなったり、ガタガタ回転する理由はすべてコレです。回転しない状態で押さえつけられている樹脂ローラーに扁平な部分ができてしまうからです。)
※②スプールの内側エッジや樹脂ローラーに、砂や塩の結晶が付着した状態では、絶対にスプールを回さないこと。
(あっというまにスプールとローラーの接触面が傷つき、やはり回転のなめらかさが損なわれます)
LOOPに使われている樹脂ローラーが「柔らかいもの」であるということを、決して忘れてはなりません!
だって、硬くて圧力で変形しない物どうしだといくら押さえ込んでも回転が重くならないですから(笑)
凹んで変形することによって、そこに摩擦が生じるわけです。
これらの注意点さえ守れば、いつまでも滑らかな回転でLOOPリールを愛用できます。
もちろん海で使用した後の水洗いや、ベアリングへの適時の給油は当然必要ですけどね。