SSブログ

ZG HERIOS & CROSSCURRENT GLX [ソルトウォーターフライロッド]

IMGP2097-500.jpg
ORVIS ZG HERIOS 9' 10wt & G. LOOMIS CrossCurrent GLX 9' 10wt

オービスが2008年に投入した、ゼログラビティ・ヘリオス、
登場してからもう何年か経つのですがいまも現役の、ルーミスのクロスカレントGLX、
この国で買うと2本で20万円以上になる、オービスとルーミスのハイエンド・ソルトウォーターロッドを比較してみました。

自分で書いていて恐ろしいのですが、
いつの間にかマスプロダクション・グラファイトロッドが1本10万円の時代になったんですね~(--;)

メーカーによる説明では、この10番用のゼログラビティ・ヘリオス、オービス流のアクション表記では、TIP FLEX 10.0、となり、オービスのロッドでは最も先調子に分類されるロッドです。
また、クロスカレントGLXのアクションですが、PowerはStiff、TaperがFast、とホームページに記載されています。
オービスとルーミス、それぞれのメーカーで最も硬くて速いアクションのソルトウォーター用フライロッドで、メーカーの持つ最新のテクノロジーを駆使して最先端かつ最高のグラファイト系コンポジット素材から作られているようです。
特にオービスの方は最先端軍事技術の応用だそうな・・・

こうやって書いていると、
この2本のロッドは似た性格なんだろうな、
って想像される方が多いと思います。

ところが・・・

ZG HERIOS と CROSSCURRENT GLX じゃかなり性格が異なっているんですね。

おそらく竿の自重の違いからくるのだと思いますが、クロスカレントはいかにも堂々とした10番ロッドだなって感じるのに対し、ヘリオスの方は、あれ、これってほんとに10番ロッドなの?8番ぐらいちゃうん??って感じるほどの軽快感を持っています。

キッチンスケールに乗せてみると、
トップからバットまでの各セクションとトータルの重さは、それぞれ順番に、

ZG HERIOS が、5g、10g、22g、59g、の合計96g
CROSSCURRENT GLX が、7g、15g、34g、111g、の合計167g

いったい、この差はなんなんだ!!

感覚的にヘリオスはかなり軽いロッドだと思ってはいたのですが、
この結果って、量った本人があらためてビックリしたほどの違いです。

ちなみに、

Thomas & Thomas の HⅡ 908S-4 9' #8Line (ホライズンⅡ #8 ソルトウォーター仕様)が、
6g、12g、25g、93g、の合計136g


なので、ヘリオスの10番は本当に8番ロッドより軽いってことになりますね。

気になるので、他のメーカー製「ソルト仕様ハイエンド10番ロッド」の重さを、各メーカーのホームページで調べてみると、

SAGE Xi2 1090-4 Xi2 #10 が、4 1/2 oz. ≑ 126g
WINSTON BRONⅡ MX #10 も、4 1/2 oz.

奇しくも同じデータですね。ただカタログ上のデータなので実際に量ってみるとどうだか・・・

しかし、いずれにしてもヘリオスの軽さは他のメーカーのロッドとは比較になりませんね。
Orvis、いや、アメリカの軍需産業、恐るべし!!ってところでしょうか。

IMGP2100-500.jpg
グラファイトベース(フィラーって言ってもいいのかなあ・・・)のリールシートまわり

同じ素材を使っていても、この部分もかなり重さが違うんじゃないでしょうか?
ヘリオスに使われているリールシート金具は、おもいっきり削ぎ落とされています。
まるで軽量化至上主義の零戦コンセプトのようですね。

そうそう、実際に使った時のフィーリングを書くのを忘れていました。
重さがあまりにも違ったのでこの点ばっかりに意識がいってしまって・・・(^^ゞ

もちろん、どちらの竿も10番ラインを使いこなしビッグフィッシュを寄せられるパワーを持った、十二分に10番なロッドです。
この2本で最も大きな違いは、バット部分のパワー感ですね。
他の番手でもそうなのですが、クロスカレントGLXは強靱なバットに意外に繊細なティップを組み合わせたロッドで、このロッドで本気で遠投しようとすると、このごっついバットを一気に曲げ込むだけのパワーかテクニックが必要です。
中途半端な入力だとティップ部分が暴れて、ラインにヘンなスラックが入ってしまいます。
クロスカレントGLXでスパ~ンときれいなループのラインを遠くまで投げられる人は、かなりのキャスティング技術を持った上級者ですね。
反面、中距離までならバットを曲げなくてもミッドから上を曲げるだけで十分なパワーが出ますので初級者でもそれなりに使えるロッドだと思います。

ヘリオスは、といえば、すごいティップアクションかと思わせるカタログ上のアクション表示ですが、実際には非常にスムースなロッドです。
負荷に応じて、ティップからバット方向へプログレッシブに、曲がり込んでいく部分が下に移動していくので、竿の曲げ方を意識することなしに、なにも考えずに振ってもきれいなループ形状になったラインがティップから放出されます。
ひとことで言うと、バランスがいいのでスラックが入りにくい、たいへんキャストしやすいロッドだと思います。
癖のあるロッドを使いこなす楽しみは無いかもしれませんが、ロッドという道具に気を遣わなくてもすむ、すごくよくできたロッドです。
さすがに東部エスタブリッシュメント(お金は持っているけど腕はヘボ、な場合が多いです)御用達の老舗だけのことはあります。
お金さえあれば(笑)誰でも使える高性能ロッド、というコンセプトがよくわかります。
まさに、フライロッドの王道をいくロッドですね!

ただ、それゆえなのか少し不安になる噂を耳にしました。
この ZG HERIOS なんらかの拍子に簡単にポキッと折れるらしい、誰々が買ったばかりのヘリオスをあっというまに折ってしまった・・・、とかいう噂。
確かに、自重がこれだけ軽いってのは、使われている素材の量が少なく、ブランクが非常に薄い、ってことですから衝撃には弱そうな気はしますが・・・

僕は、(まだ)折ってませんけど、
さすがに軽すぎるんじゃないか?って感じるだけに、ちょっと不安です(--;)

ソルト用ロッドのカタログ上の重さではない「リアルな自重」データについては、
当ブログのマイカテゴリー、

ソルトウォーターフライロッド

の記事中に、自分で使った竿のデータをキッチンスケールで量って記載していますので、参考にしてください。
意外なコトが見えてくるかもしれませんよ。
 


 


nice!(2) 

nice! 2

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。