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"Beulah Switch Rod 10ft 6in #7/8" スイッチロッド、お道具マニアの血が騒ぐ・・・ [グラファイト&グラス・フライロッド]

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Beulah #7/8wt Switch Rod 10' 6" &
TFO DEER CREEK SERIES SWITCH RODS #6wt 11' 0"

スイッチロッドをもう1本手に入れてしまいました。
Beulah #7/8wt Switch Rod 10' 6" 
メーカーはオレゴン州にある"Beulah inc"(ビューラーと発音するんかな?)です。

この写真に写っている2本のスイッチロッドですが、
なんとなくコスメが似ている、って思われませんか?

グリップまわりを拡大するともっとよくわかります。

 


IMG_0679-500.jpg
下が"Beulah"、上が"TFO"

圧縮コルクっていうんですか、合成コルクの使い方やグリップの形態がすごく似ているでしょ。

これらのロッド、どちらがどちらをマネした、なんてことではなく実は2本とも本歌取りなんですね。
その原型になっているのが、これ、こちらもオレゴン州にある、

"R. B. Meiser Fly Rods"

です。

この"R. B. Meiser Fly Rods"ですが、メーカーというよりは高品質なフライロッドを顧客からのオーダーに応じて製作している「カスタムロッドビルダー」といった方がより近いイメージだと思います。

"TFO DEER CREEK SERIES"のスペイ&スイッチ・ロッドを「販売」している"Temple Fork Outfitters"も、オフィスはテキサスにあるのですが、"TFO DEER CREEK SERIES"のデザインテイストはまさにこのオレゴンの"R. B. Meiser Fly Rods"そのものです。

これらの2社は、勝手に"Meiser"デザインをコピーしたということではなく、ロッドの開発時から"R. B. Meiser"が関係していたようです。
"TFO DEER CREEK SERIES"と"Beulah Switch Rod"は、カスタムロッドである"R. B. Meiser Fly Rods"をベースにした低価格での量産バージョンと考えるとわかりやすいと思います。

また、直接"Meiser"とは関係ないはずの"G.Loomis"のツーハンド・ロッドもこれらに類似したデザインですし、"ECHO"のツーハンドも最近は同じようなデザインになっています。
アメリカのツーハンドロッドに関しては、この"Meiser Fly Rods"に似たデザインがこのところのトレンドのようですね。
オリジナルなグリップまわりのデザインで意地を張ってるのは、いまや"SAGE"と"T&T"だけなのかもしれません。

そして、昨年あたりからSAGEやG.Loomisといった西海岸のメーカーから東部のThomas & Thomasといったフライロッドの大手(高級ロッドも作ってる規模の大きなメーカー、っていった方がいいかも・・・)にいたるまでが、続々とスイッチ・ロッドと名付けたフライロッドを市場に投入してきましたが、この"R. B. Meiser Fly Rods"こそが「スイッチロッド」というジャンルのオリジナルな考案者のようです。

スイッチロッドですが、そのオリジナルをたどると、
短いツーハンドロッドというよりは、「長いシングルハンドロッドに両手でも振ることが出来るグリップを取り付けたロッド」だと考える方が、一般的なツーハンドロッドと比べてかなりのファーストアクションになっている、スイッチロッドのアクションという観点からも理解しやすいと思います。

この種のロッドが生まれてきたのは、スチールヘッドを釣るにはドリフトの難易度という観点から長い竿の方が絶対に有利だということと、さすがのアメリカ人でも10フィート以上のロング・シングルハンドロッドを使い続けると腕や肘を始めとした身体への負担が大きすぎる、ということがその理由のようです。

それじゃ~、スペイロッドっていうか、普通のツーハンドロッドを使えばいいじやないか、

って思われるかもしれませんが、
ツーハンド・ロッド(スペイロッド)はアメリカの一般的なフライフィッシャーの間ではいまいちポピュラーじゃないんですね。
スペイロッドを振るにはそれなりの練習が必要なこともツーハンドロッドがそれほど一般的ではないという理由のひとつですが、
それよりも影響が大きいと思われるのは、西海岸の中小河川のスチールヘッディングではウエットフライだけではなくインディケーターを使ったニンフィングも多用するので、長くて重いツーハンドロッドでは汎用性が低いという問題があるからです。

ほぼどの河川にでもスチールヘッドが遡上するカリフォルニア以北の西海岸とはいえ、ビッグリバーの釣り場はそれほど多くはなく、またスペイロッドを駆使してビッグフィッシュを狙うシリアスなスチールヘッダーは日本人が考えるほどたくさんいるわけではありません。
海岸沿いの独立河川などは、日本の川程度の規模で#6ロッドで十分釣りになるポイントが多いですしね。
そういう河川では川岸を釣り登りながら『いわゆるルースニング』で狭いポイントを狙っていくわけです。そして大きなポイントが現れると、そこはウエットで釣っていきます。
またトロフィー・スチールヘッドで有名なB.C.のスキナー水系でも、キスピオックスの上流部などは川の規模が小さいので遠投する必要がなく、スペイロッドよりもスイッチロッドの方が使いやすいと思います。

これは僕の推測ですが、長いスペイロッドを振り回している釣り人(?)の数って、太平洋の対岸よりもこの国の方が多いんじゃないかな(笑)

余談が長くなってしまいましたが、

Beulah #7/8wt Switch Rod 10' 6"  $394.00

と、

TFO DEER CREEK SERIES SWITCH RODS #6wt 11' 0"  $339.95

を比較すると、
ロッドの全長と使用するラインのウエイトが違う、という当たり前なこと以外にも違いが見られます。

まずはマテリアルの違いです。
"TFO DEER CREEK SERIES SWITCH RODS"は、IM6グラファイトにケブラー補強。
"Beulah Switch Rod"は、IM8グラファイトが使われています。

G.Loomisによれば、各種グラファイトのModulus(硬さのようなモノです)は、下記の通りです。

GLX - 65 million modulus
IMX - 55 million modulus
GL3 - 47 million modulus (IM8)
GL2 - 42 million modulus (IM7)
IM6 - 38 million modulus
Standard Graphite - 33 million modulus

シンプルに考えれば、"Beulah Switch Rod"の方がより硬いグラファイト素材を使っているので、ロッドの持っているアクションのスピードが速いってことになるのですが・・・。
でも、素材としてのグラファイトのモデュラスが高いからといって、必ずしも製品としてのロッドが硬い(速い)というわけではありません。
GLXでも、しなやかなロッドがありますからね。

基本的な考え方としては、
異なったグラファイトを使って同じ反発力を持つ竿を作る場合、より硬い(モデュラス数の大きい)グラファイトを使うと必要とするグラファイト繊維の量が少なくて済むので竿の重量が軽くなる。
という、ただそれだけのことです。
実際の釣り竿としては強度の問題が絡んできますので、必ずしも硬いグラファイトを使うことがいいとは限りません。
例えば"SAGE"のファーストアクション・ロッド群ですが、一時"GraphiteⅣ"を使っていましたが、いまでは"GraphiteⅢe"(グラファイト繊維としてはモデュラス数が低い)に戻っています。


素材の違いはともかくとして、完成品のロッドとしてみた場合、
この2本のいちばん大きな違いは、おなじスイッチロッドでも"Beulah"の方が"TFO"よりもファーストアクション(先調子)で、ロッドの返りも速く、シングル、ツーハンドを問わず、どちらかといえばオーバーヘッドキャストをする場合によりポテンシャルを発揮することのできるロッドだと感じました。

"Beulah"は、やる気になれば、オーバーヘッドキャストでかなりの距離を出せるタイプのロッドです。

"Beulah"と比較すると、"TFO"は、同じようなファーストアクションとはいいうものの、負荷を掛けるとブランクがグリップの中までしっかり曲がり込んでくるタイプのアクションで、アンカーを使ったスペイキャストをする場合にタイミングが取りやすいロッドです。

この2本を振り比べている過程でひとつ気になったのは、ロッドに記されている適正ラインナンバーの表記についてです。
厳密には同じラインを使うように表記されたロッドで比較すべきなんですが、
上記の2本を振り比べると、とてもラインナンバーで2番手の違いがあるようには感じられませんでした。
もし"TFO"の方を基準として考えるならば、"Beulah"はダブル表記のラインナンバーうちの軽い方で考える方がいいようです(#7/8表記ならば、#7として)。

オーバーヘッドキャストとは異なって、スペイキャストをする場合のロッドとラインの重さや形態の適合性というものは、キャストする人の好みやテクニックによってかなり違ってくるようですので、あくまでご参考程度に留めて頂いた方がいいかもしれません。
また、長年の経験のあるオーバーヘッドキャストはともかくとして、スペイキャストについてはいまだ修行中の身なので、スペイで振った場合についての感想や評価はあくまで「スペイの初心者としてのもの」です。
そのあたりを勘違いなさいませんように。

昨今、ご多分に漏れずに降り掛かってきた個人的な経済事情の問題で・・・(--;)
「定価でもハイエンドロッドのほぼ半額」で購入できる「廉価版?グラファイトロッド」をいろいろと手にしたのですが、これらの「お値打ちロッド」が、実はまったく侮れないロッドなんですね。
すくなくともシングルハンドロッドでも海で使うようなヘビーなものと、ツーハンドロッドにおいては、ハイエンドロッドに2倍のコストを払うだけの価値が本当にあるのかどうかが疑問になるぐらいの完成度を持っていると思います。

中途半端な内容のハイエンドロッドは、高いモノを見せびらかすという趣味さえなければいらんのではないか! 
と個人的には思うようになってしまいました。
パソコンは"Dell"で必要十分、っていう感覚と一緒ですね。

渓流で使うような繊細な竿についてはまだ「お値打ちロッド」に手を出していないのでわからないのですが、
僕は、たまに『カムパネラ』のグラファイトロッドを使いますが、渓流での釣りはほぼ竹竿で通しているので、竿の性能を比較するために僕が自腹を切って新しくグラファイトロッドを買うことはないと思います。
それゆえ低番手については、今後ともテストは不可能かと・・・


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