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"Fairy Wand"(妖精の杖) by "Kuramochi Rod Co." [バンブーロッド "Bamboo Rod"]

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"Fairy Wand"(妖精の杖)とネーミングされた、"Kuramochi Rod 6'9" #3"

いろいろ振り比べた『クラモチロッド』の中で、僕がもっとも感銘を受けた竿のうちの1本。

かつてショートロッドマニアだったという倉持さんの面目躍如というか、バンブーロッドビルダーとしてのセンスの良さが感じられるバンブーロッドです。

原型はどこぞの博物館に眠っているとやらいう "F. E. Thomas" の手になる名竿らしいのですが、さすがにそんな竿は振ったことがないので比較のしようもありません(^^ゞ

反論の嵐に遭うのを覚悟した上で正直に言えば、
これまで僕はバンブーロッドのスウェルバットというモノにはまったく魅力を感じていませんでした。
きついスゥエルの付いた"T&T" や "Maxwel Leonard" なんてのは、バンブーロッドとしては論外だったんですね。
竿を振ったときに、負荷を受けてしなる竿の後ろに、まったく曲がらない棒のようなグリップを取って付けたような感じがして、とにかく好きになれなかったんです。
それゆえ、なにかの加減で手に入れることがあっても、手元には1本も残すことなく、すぐに放出していました。

僕がそれらの竿が嫌いな理由、
もしくは使いたくなかった本当の原因は、
スウェルバットとはあんまり関係なかったことが、後にわかったのですが・・・

スウェルバットが竿先だけがヘコヘコ、ピンピン動くヘンなアクションの原因ではなく、
当時市場を席巻しつつあったグラファイトロッドをバンブー素材で作ろうとしたところに問題があった、ってコトです。


さて、そういったコトは置いておいて、本題の『フェアリーワンド』にもどります。

この写真を見てください。

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簡単のように見えて実は非常に難しい、クリアシースルーラップ。
このあたりはビルダーの腕の見せ所でもあるわけですが、
アクションがヘボでは釣り竿としての価値はないわけで・・・

 

もうちょっとアップにしてみます、

IMGP3237-500.jpg

どうですか?

ティップの部分が#3ライン用のロッドとしては異様なまでに細いと思いませんか?
マッチ棒の約半分ほどの太さしかありません。

しかし、バットセクションはグリップと一体化するかのような太いスウェルバットになっています。

これって、普通に考えると、ティップだけがヘコヘコ動く、ラインコントロールに難のある駄竿が多いのですが・・・

この竿、なぜか、いい加減に振ってラインを伸ばしていってもラインにスラックが入らない。
真面目に振れば、レールのようなブレのないラインを20mほどまで伸ばします。

この手の竿では、ありえない・・・、のだがσ(--#)

僕の中では、この竿とはまったく違うタイプの竿、
中村羽舟さんやフリースさんの創り出す竿と同じようなフィーリングがあるんですね。

ティップの先端部はフライラインの一部として機能する・・・、っていう感じ。

竿とラインの境目が、微妙に混じり合っている、とでもいうのでしょうか、 
竿とフライラインが手の先で混然一体のモノになっているんですよ。

ラインを、バ~ンと飛ばす竿とは対極にある、このフィーリング。
ファンタスティックです。

キャスティングの能力は、ある意味完璧です。

でも、ただひとつ懸念したのは、
この極端までに細いティップが魚を掛けたときに弱いんじゃないかなってコト。 

で、実験したのですが・・・

管理釣り場でニジマスを片っ端から掛け続けましたが、
サカナを寄せて浮かせる能力にも問題はなく
(ここにスウェルバットの効果があったんですね)、
使用後に、繋いだままのロッドを見通したのですが、ブランクに曲がりはでていませんでした。
制作時にかなり注意深く組み立てられているのだと思います。 

こんな竿がこの国のビルダーの手によって作られているんだ・・・

って、目から鱗でした。

まさに、"Magic Wand"
『魔法の杖』です。

ただ、このロッド、ごっついビルダーが作ってるにもかかわらず、
チョットかわいらしく "Fairly Wand" 『妖精の杖』、って名付けられています。

この竿は友人のモノですが、
もうすぐ僕の "Fairly Wand" も "Kuramochi Rod Co." で完成するようです。

今シーズンに間に合うのか・・・

 

 


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