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Kuramochi Rod Glaphite Models [グラファイト&グラス・フライロッド]

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Kuramochi Rod "Hi-Loop" & "Eighty-0"

"Stealing Model Hi-Loop 8f 9in #3/4line 3pc"
"Stealing model Eighty-0 TLN 8f 0in #2/3/4line 2pc"

どちらも "Alchemy Tackle" のネームが入ったダブルネーム仕様です。


ひさしぶりに『クラモチロッド』のグラファイトモデルを振ってみました。

この2本は、長さの違い以上に、
"Hi-Loop"はかなり極端な先調子のファーストアクションでティップが返る速度も速く、
"Eighty-0"は全長に渡って同時に動く感じのバットからしなるパラボリック系のミディアムアクションでティップの返りもややスロー、
と、まったく性格が異なったロッドなのですが、
そのどちらもが、ラインの重みを感じながら素直に竿を動かして曲げてやると、
フライラインが自ら成長していく生き物のような生命感を持ったループを作って前後に真っ直ぐ伸びていきます。

よくできた竹竿に勝るとも劣らない、素晴らしく気持ちのいいフィーリングです。
そして竹竿にはない素材の軽さが、これらの竿にとってはいい持ち味になっています。

気がつけば、ラインの重さを過加重に感じるほど、
フォルスキャストするラインが空中に長く伸びていました。

初冬の青空のもと、

ああ、いい竿だなあ・・・

って感じながら、しばらく竿を振り続けていました。

 

IMG_1624-500.jpg
どちらの竿も"Russ Peak"ばりの複数番手指定ですが、
"Hi-Loop"にはWF4F が、
"Eighty-0"にはDT3F(or WF3F)が、いちばん美味しいところを引き出せると思います。

シングルハンドのグラファイトロッドを振るのは本当にひさしぶりのことなので、
手になんの違和感も感じないことの方がおかしいと言えばおかしいのですが・・・。

 

僕は実際の釣りでは、ほぼ100%竹竿を使っています。
例外は「海フライ」と、遡上魚狙いのツーハンドロッドとスイッチロッドにグラファイトロッドを使うぐらいです。


なぜ竹竿なのか?
という理由は、語り始めると切りがないし、
自分でもハッキリわかっているわけでもないので、
「竹竿の持っているフィーリングと、川で竹竿を使って魚を釣るのが好きだから!」
・・・ってコトにしておきます。

強いて、好き嫌い以外の理由を挙げると、
僕の場合、竹竿の方がグラファイトロッドよりも大物をバラさないで獲れる確率が高いように思うのですが、これって竹竿とフラファイトロッドのそれぞれを使う頻度にもよりますし、
まったく同じ状況で同じ魚を掛けて竹とグラファイトを使い比べてみることが不可能な以上、検証することも出来ません。
あくまで、そんな気がする・・・、ってだけです。

フライラインを投げる、という能力においてはグラファイトロッドの方がはるかに優れています。
ただ、それが「流れのある川」という釣りの現場になると、
フライをターゲットまで運んでいくラインのスピードとトルクの問題、
そして、フライラインをただ真っ直ぐに投げるだけではないし、
また、いちど水面に置いたラインをそのままただ流すのではなく、フライラインを連続的に竿で操作して動かし続ける必要がある、
という部分において、グラファイトロッドの優位性がちょっと崩れるかも・・・、
という感覚は持っていますけどね。

「よくできたグラファイトロッドは、よくできた竹竿よりも優れている!」
ということは否定できません。
そのうえに、
「よくできた竹竿は、よくできたグラファイトロッドより優れている」
とは言えないかもしれません。


でもね、本当のところ、こんな考察はどうでもいいんんですよ。


優れた釣り竿は、どんな素材で作られていようといい竿なんですから。
世の中には、「いい竿」と「ダメな竿」があるだけです。
エンジンで走ろうがモーターで走ろうが、いいクルマはいいクルマなんだ、ってコトと同じです。

なんだかやたらと長い前置きになってしまいましたが、
この2本のクラモチ・グラファイトロッド、ほんとうにいい竿ですよ。

なにがいいか、って言えば、使っていて気持ちがいい。

な~んだ、やっぱり感覚の問題か、って思うでしょ。

違うんですよ。
機能性が高いから、使っていると気持ちがよくなるんです。

まず最初に、こうであって欲しいというイメージがあって、
そのイメージと実際の行為との間にブレがないから、気持ちがいいんですね。

それが道具を使う行為であれば、
その道具が使う人の意図や意志をそのまま具体化して思い通りに機能することを求めるわけです。
人が道具に要求することは、それがすべてだと思います。

釣り竿も、道具のひとつですから求められていることは同じです。

そして、その釣り竿に対する釣り人の要求を具現化するのが釣り竿の作者である竿師であり、ロッドビルダーであり、ロッドデザイナーなんです。

だから、その釣り竿がどんな素材から作られていようと、
まず最初に、その竿に対する釣り人からの要求があり、
その要求に対してどう答えを出すか、という作者の感性と技術力が問われるわけです。

いちばんいいのは釣り人自身が釣り竿の作者でもあることですが、
それには、自らの釣り人としてのキャリアと能力をフルに発揮して、自分が必要とするある特定の竿に持たせるべき機能を抽出すること。
そして、その機能を形にすることが出来る作者としての能力が必要になるのですが、
「釣り名人」であり、かつ「名職人」でもあるというような、そのどちらにも優れた能力を発揮できる人はそう簡単にはいないようです。
フライフィッシングの世界で強いて名前を上げるならば、かの"Paul Young"でしょうか。

優れたテクニックと鋭い感性や感覚をもった釣り人がデザイナーとして関与して、とびっきり腕のいい職人に釣り竿を作らせる、という例はよくあります。
この国では、島崎憲司郎さんと中村羽舟さんのコンビがそうですね。


さて、これら2本の『クラモチロッド』の制作者である倉持さんはどうなんでしょうね(笑)


12月20日(日)に大阪・西天満の『ビギナーズ・マム』さんで開催される、プチイベントに、
このブログに取り上げた2本のロッドの現物を持って行きますので、
『クラモチロッド』に興味を持たれた方は、ぜひラインを通して振ってみてください。

百戦錬磨の方々も、けっこう目から鱗が落ちるかも。
と、言うよりも、
いろんなロッドを使ってこられたベテランにこそ振って頂きたいロッドです。
もちろん初心者の方にも素直で使いやすいロッドですよ。

イベント即売用の『スペシャルな現物』もご用意できる・・・、はずです。

ね、倉持さん!!

(自転車ばっか乗って竿作んないと、"KLEIN"返してもらいまっせ(笑))


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