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進化し続ける "Asama Rods" [バンブーロッド "Bamboo Rod"]

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"Asama Rodworks M70H"

 

"M70H"

"Madake, 7 feet 0 inch, Hollow Build Rod"

この同じ品番が付けられた『朝間ロッド』、
僕が手にするのはこれが3本目。

 

1本目は、以前のブログでも取り上げた、肉厚1.0㎜ フルホロー。

2本目は、肉厚1.2㎜ フルホロー。

3本目は、肉厚基本 1.1㎜、スリーブ状補強入りフルホロー、段巻き仕様。

 

この3本は、『とんでもない竿』を作ってしまった朝間さんの、試行錯誤の過程を如実に物語っているようです。

 

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クリアのインターミディエットラップが施されているのがわかりますか?
この竿の場合、段巻きはただのお飾りではありません。

 

朝間さんが創り出した、マダケを使ったブランクの肉厚がわずか1.0㎜の中空ロッド。
異次元といってもいいようなフィーリングとパフォーマンスを持っているのですが・・・

ただ、そのままでプロダクション・モデルとするにはあまりにも危うい竿だと。

外力に弱い極薄中空ブランクゆえに使用上の注意点が多いのは当然のこととして、
いまのところあくまで推測ですが、おそらく耐用時間がかなり短いのではないかと考えられるからです。

それは、たとえ肉厚が1ミリしかなくても、最新の接着剤を使って接着された接着面の強度は十分なので使用中にそこが剥離することはないのですが、ブランクに使われている竹の繊維自体が繰り返される伸縮に耐え切れずに疲労して破断したり裂けたりすることから発生するのではないかと予想されます。

ソリッドロッドや、ホロー構造を取っていても肉厚がある程度以上あれば、チューブラー効果(中空構造の物がへしゃげることによって反発力を発揮する)が弱いし、パワーファイバーの量でストレスを分散してカバーできるのですが、1.0㎜の極薄ブランクでは少量のパワーファイバーが常に強いストレスを受け続けることになるからです。

1.0㎜フルホローロッドは、極限までチューニングしたワンレーススペシャルのレーシングカーのようなものです。
どんなに性能がよくても、そのままプロダクションモデルとするにはあまりにも危な過ぎるんじゃないか。
ということから作られたのが、肉厚1.2㎜のフルホローロッドでした。

わずか0.2㎜のプラスとはいえ、長さで20%の増加は面積比だと1.44倍、
体積になると1.73倍の素材量のプラスになります。
これは強度的にかなりの増強になり、それにともなって耐用時間もぐっと延びるようになると考えられます。

ところが、好事魔多し・・・

1.0㎜ホローの持っていた、夢のような軽快感と、フライラインをひとりでに飛行させるようなオートマチックなフィーリングはスポイルされてしまいました。

ただ、スポイルされたといっても、あの驚異的な1.0㎜ホローと比較してのことで、
一般的なバンブーロッドの水準をはるかに凌駕する性能を持っていることは確かなのです。

これに満足できないのが、朝間さんの朝間さんたるゆえんで・・・
湧き出すようなアイディアを自らのロッドビルディングにどんどん投入していったわけです。

その結果出来上がってきたのが、
1.1㎜フルホロー、一部スリーブ?構造、補強用インターミディエットラップ仕様という竿なのです。

内部に補強用のリブを入れる、と最初聞いたときには、
僕にもなにがなんだか、わけもわかりませんでしたよ(笑)
長い「ちくわ」の内部の肉厚が部分的に変わっている、とでも言いましょうか・・・

 

まあ、理屈は置いておいて、早速フライラインを通して振ってみたのですが・・・

凄いですよ~

ほぼ、あの驚異のプロトタイプ、1.0㎜ホローに肉薄するようなパフォーマンスを感じます。

あとは、解禁後の渓流における実釣でどのようなパフォーマンスを見せてくれるかですね。


 

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朝間さんは、極薄中空構造のロッドを展開していくために、他のタイプの補強構造もいろいろと考えて試しているようです。

ただ、この1.1㎜フルホロー、一部スリーブ構造、補強用インターミディエットラップ仕様に関しては、
製作にかなりの手間と時間が掛かるので、
通常の「中空構造のロッド価格」+「オプション料金」が必要になる、とのことです。

僕は、この竿にはそれだけのコストを払うだけの価値はあると思います。

でもね~、簡便で効果的な方法を考え出すのが朝間さんですからね。
今後、どんな奇想天外な展開があるのかは、ちょっと予測できないですよ。

 

"Asama Rod" 各モデルの詳細についてのご質問、お問い合わせ、
そして "Asama Rod" の試投などにつきましては、
アルケミータックルまでどうぞ。

info@alchemy-tackle.jp


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bigbird

ついに来ましたね、中空竿。

渓流もいよいよ解禁でテストする楽しみが増えて良いですね。

朝間さんの竿は、進化し続けてるので1年後には又違ったアプローチで
とんでもない竿が出てくるかもしれませんね。
ユーザー泣かせでお金が追いつきませんよ。でも楽しみですね。
by bigbird (2010-02-28 11:50) 

あき

そうですね。

その進化が半端じゃないところが朝間さんの凄いところなのですが、
デジカメやパソコンみたいに最新型を追い続けるわけにもいかんし~(^^ゞ

でも、いまでは旧型!?になった『朝間ミッジ』も、現役でガンガン使える気持ちの良い竿だ、
っていうところが、
あっという間に時代遅れになるデジタル情報家電とは違いますよね。

やっぱり、アナログ世代だから・・・(笑)


by あき (2010-02-28 13:08) 

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