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函館・・・その3、竹竿の話 [バンブーロッド "Bamboo Rod"]

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Asama Midge 6'3" #4


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Bjarne Fries Katana 704 7' #4

道南仕様ともいえるこれら2本の竹竿ですが、長さが違うという以上に尺越えの魚を釣る上でどうも根本的な違いがあるように感じられました。

それは、

「フッキングについての考え方の違い」

のようなものだと思います。

その違いは、特に流れの緩い場所からフライに出たイワナが大型だった場合にはっきりとわかります。

流れが速い場所や、本流域で対岸を釣るときのように流れをまたいで釣る場合には、フライに出たイワナへのフッキングは、合わせのタイミングさえ見誤らなければ竿を立てるだけで、ラインやリーダーに掛かっている水圧と魚体の重さが作用して、フライフックはほぼ自動的にキレイに口の周辺を貫いて刺さります。


ところが落ち込みの巻き返しや反転流、ひらきの部分などといった流速が遅いところや、ポイントまでの距離が近いときには、竿を立てるだけ程度の軽い合わせでは上手くフッキングできないことがままあります。
9寸程度までのイワナならばそれなりにフッキングできてランディングまで行くのですが、尺を超えるイワナだと一時的に針に乗ってもランディングまでの過程でフックが外れてバレることが多いんですね。

おそらく、イワナは大型になってくると口の周辺がかなり硬くなっていて、柔かな合わせでは針先が皮にわずかに引っかかっている程度で、フックがフトコロまできっちり刺さっていないのだと思います。
おまけに、ターゲットが大型イワナの場合、使用するフライのサイズは大きく、フックも細軸ものは使わないですから、もともとフックが刺さりにくい傾向にあるわけです。

そこでデカイワナがフライに出ると、
フックがフトコロまで貫通するようにガツンと合わせるわけですが・・・

「合わせが強すぎる」といくら太いティペットといえども切れてしまいます。
今回の旅でも、ちまたで最強と言われるフロロカーボン「グランドマックスFX0.8号」をいったい何度合わせ切ったことか・・・σ(--#)

ちなみに、この「グランドマックスFX0.8号」
32~3センチのイワナを「うりゃ~」と引き抜いて一本釣りできる強度があるんですよ。

冷静になったときによく考えると、
僕がイワナを掛けて合わせ切ったのは、ほとんど『Katana 704』だったんですね。 
その代わり、『Katana 704』を使っているときにはフッキングしてからのバレは少なかったです。

『Asama Midge』はファイト中のバレが多かったものの、合わせ切れはなかったと思います。
ガツン!って大きく強く合わせると、ズンって乗るんですね。

その後、朝間さんと釣りに行く機会があって、
釣りをしながら竹竿についていろいろ話したのですが、
その中で合わせ切れの話になって、

朝間さんの竿は、

「竿の中にわざと弱い部分を作ってあって、
そこが大きく合わせた時の瞬間的な衝撃を吸収するんだよ」

みたいなコトを、メーカー自身の口から聞くことが出来ました。

こういったロッドアクションに潜ませた工夫って、メーカー自身が大物を釣り慣れてないと気がつきもしないというか、考えることすら出来ないことだと思います。
このあたりが、朝間さんが凡百のメーカーとは一線を画した竹竿を作れる理由であるのかもしれません。

でも、『Katana 704』だって、あえてそういったクッション機能?を持たせてないというだけで、凄い竿なんですよ。
フックに伝わる入力を竿がある程度自動的に調節してしまう能力って、状況に合わせて冷静にフッキングの強弱を加減できる人には必要ない機能だともいえますからね。
『Katana 704』は、ロッドに弱いところがないだけに、キャスティングもフッキングも入力した力がそのままラインからフックへとダイレクトに伝わって放出されるという、素晴らしくプログレッシブで敏感な性能を持っています。

ただ、たまにしか大物イワナと遭遇する機会がない釣り人にとって、
ガツンと合わせれば、合わせ切れすることなく大イワナがフライフックにしっかり乗ってくれる、
という『Asama Midge』が非常に有効な道具になるであろうことは疑いのない事実だと思います。


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