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僕のリールが、なぜ "Raised Pillar" スタイルなのか [メーカーが語る"Alchemy Reel"の秘密]
嫌がられるのを承知で、まず最初にひとこと書いておきますが、
"Raised Pillar"のことを、「ライズドピラー」と発音される方や、
「ライズドピラー・リール」という表記がよく見られるのですが、
もし英語的に発音するとするならば、
raised は [ rèizd ] と発音するので、『レイズドピラー』という表記が正解です。
かっこ悪いので、「ライズドピラー」と言うのは止めましょうね。
日本では「らいずどぴらー」って言うんじゃ!
って方を、あえてお止めすることはいたしませんが・・・(笑)
さて本題です。
下にUPした写真 ↓ をよく見てください。
"Alchemy Model 44" と "A. L. Walker TR-1"
この二つのリールの大きさの違いがわかりますか?
もうひとつ、いってみましょう。
どうです?
これら二つのリール、ひとまわり以上は大きさが違いますよね。
でも、この2台、ラインキャパシティはほぼ同じなんですよ。
どちらも、実用的にはDT3Fにバッキングが少しってところです。
DT4Fだと、ラインの種類にもよるのですが、ノーバッキングでキャパシティはほぼ目一杯になります。
ちなみに、実際にラインが巻ける部分のサイズを比較すると、
"Model 44" が、スプール有効径約55mm、有効幅約17mm、
"Walker TR1" は、それぞれ約50mm、約20mm、
となって、2台とも、ほぼ同じサイズのスプールであるということがおわかりいただけると思います。
レイズドピラースタイルのリールが小さく見えるのにキャパシティが大きいのは、ちょっと考えるとすぐにわかる当たり前なことなんですよ。
両軸リールの場合、スプールは両側のサイドプレートを繋いでいるピラーの描く、架空の円周より小さくなるのは物理的に考えると当たり前なことでです。
そのピラーの部分を円形のリール外周の内側に納めたのが、いわゆるバーミンガムスタイルのリールで、簡単に考えると、スプールが描く直径の外側にピラーが描く円周があって、そのまた外側にサイドプレートの外周があるわけで、その外形は物理的にスプールの径よりもかなり大きくなってしまいます。
レイズドピラースタイルの場合は、フレームの外周(架空の円形)の外側にピラーだけが突出した形になります。
そのピラー部分が内側にある突起は、外周にある出っ張りとして認識されるので、ピラーが描く円形の外側に外周となる円形のフレームがくるバーミンガムスタイルのリールに比べるとかなり小さく見える形に収まるわけです。
僕はラージアーバーリールが嫌い、ってわけじゃないですよ。
でも、トラディッショナル・スタイルのリールの場合は、
もしスプールが同じ径ならば、全体としては小さく見えるリールの方がよりカッコいいって思うんですね。
似たような造りだと、小顔の人の方がかっこよく見えるのと同じ理屈ですね(^^ゞ
だからこその、『レイズドピラー・リール』なわけです。
では、もうちょっと写真をいってみましょう。
コレ "Alchemy Model 44"
と
コレ・・・ "A. L. Walker TR-1"
同じ竿、『朝間ミッジ』、のグリップに装着して、同じ位置、同じ角度から撮影しましたが、
どっちがバランス的にカッコいいって思います?
個人の趣味っていえば、それまでなんですけどね・・・(笑)
趣味のついでに、ココのアップを、
"朝間ミッジ" のリールシートまわりですが・・・
ブルーイングが擦れて地金が剥き出しになりかけた金具類って、味があってなぜかカッコいいんですよね~
メッキや塗装だと、表面の加工が傷ついたり、はげ落ちたりしても、この独特な質感は出ないんですよ。
戦前の古い "Hardy" に美しさや趣を感じるのも、
擦れて薄くなっていく、あの「ブラックレッドフィニッシュ」があってこそだと思います。
おなじ "Hardy" でも、戦後のエナメル塗装モノになると、塗装が剥げたり傷ついたリールには僕は趣よりはボロさを感じてしまいます。
モノを作るにあたって、このあたりの感覚をどう扱うかが難しいところでなんですね。