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Jim Hidy's 8'6" #5 3P "Dunsmuir SP" [バンブーロッド "Bamboo Rod"]


魚の話は、ちょっと置いておいて竹竿の話でも・・・

ダンスミュアへの釣の旅にジムは新しく作った竹竿を2本携えていました。
7’9”#4スリーピースと、8’6”#5のこれもスリーピース。

「ここの川を釣るために新しくテーパーを設計して作ったんだよ。前日にバーニシュが乾いたばかりなんだ、まだフェルールのフィッティング調整をしてないんだけどね」
と言いながら、この秋初めての本格的な雨に降り込められた築80年以上!のフィッシャーマンロッジのテーブルで、ジムはフェルールを擦り合わせていました。

翌朝、川へ出掛けようとすると、
「アキ、ウエインとマクラウドに入るならこの竿を使ってみてよ、今までのものとはテーパーを変えてあるから」
って、まっさらの8’6”を持たせてくれました。

ジムの竿は、顧客の好みに合わせて微妙にテーパーを変えて作られているのはよく知られているところですが、西海岸の顧客の好みもあるのか、竹竿としては速めのアクションを持ったミディアムファーストを基調にしたプログレッシブに曲がる竿がベースになっています。
竹竿を説明するのには妙な例えなのですが、いい意味で「トム・モーガン時代のウインストンIM6グラファイト」のような竿。
「気持ちよくキャストするための」竿、と言ってもいいかもしれません。

でも、この新しい8’6”はかなりのスローテーパー。
負荷に応じてグリップまでスムーズに曲がり込んでいく竿。
「気持ちよくキャストしてくれる」竿、ですね(笑)

スローテーパーの竿はフィールドで実際の釣りをする場合にいろいろと利点があるのですが、さすがに8’6”もの長さの竹竿をスローテーパーで作ると、思想と技術の両方を兼ね備えたビルダーでないとダルくて重い竿になる場合が多い。
ところがジムの作ったこの竿は軽くてシャープ。腕や手首の負担になることなく平気で連日の釣に使えるんですね。

竿のアクションを言葉で説明するのはいつも非常に困難なので、実際には使ってみて実感するしかないのですが、スローテーパーと言うと、あまり良くは思われない方が多いのでちょっと説明しておきます。
スローテーパー(テーパーの変化率)とプログレッシブアクション(曲がり方の種類)は両立しますから。
僕が言っているのはラインの負荷がスムーズにブランクを曲げていってグリップの上まで曲がる竿っていう意味です。

スローテーパーの利点は、まず第一にロールキャストとメンディングの能力が高い。これは千変万化するフィールド、特に立つ場所が限られていてバックがとりづらい川では釣り人にかなり有利なポジションを与えてくれます。
キャスティングが楽などというメリットもあるのですが、力の加え方を誤ったまま過大なパワーをかけるとループが乱れやすいので、これは好きずきですね。

僕は、立ち位置が狙うポイントによって自由に決めれ、しかも釣り上がる場合の渓流や、単純に遠投が必要な止水では、ファースト気味なアクションが好きなのですが、状況が困難になればなるだけスローテーパーでしなやかに曲がる竿の方が使いやすい、って思うのです。
このマクラウドリバーっていう川がまさにそのような川で、バックの空間なんてとれるところは滅多にないし、流れが強いので自分のポジションも決まってしまう。

「こんな川で有利に釣るためにはスローテーパーに限る」

って、この川に長年通って精通しているジムも思ったのでしょうね。
でも、西部のユーザーにはどうもスローテーパーの良さが通じない場合が多いらしい。そこで、僕にこのテーパーを試させたんじゃないかなって。

この竿がねえ、お世辞抜きで実に素晴らしいんですよ。
白状すると、この竿だからこそのロングロールキャストでフィ-ディングレーンにフライを入れてメンディングをしまくって、おかげで魚を掛けれた、っていうポイントがいっぱいありましたしね。
で、僕にとっての「ラッキーロッド」になった。

勝手に"Dunsmuir SP"って名前を付けてしまったこの8’6”#5、
まず長さを感じさせないぐらい軽くって、おまけに振り重りもしない。
スローテーパーなプログレッシブアクションなんだけど、なんとなくセミパラボリックの隠し味も効いているような・・・。

なぜか今、僕の手元にあるんですけどね。
これのジュニア版とも言える、7’9”#4と共に(笑)

 


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