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竹くらべ、ビヤーネ・フリースなど・・・ [バンブーロッド "Bamboo Rod"]

IMGP1346-500.jpg
左から、
Bjarne Fries "The Pendular" 8'6" #4~5 3P with F.I.B.H. ferrule
中村羽舟 「魅了」 7'7" #4 2P 竹フェルール
Orvis "Delux" 6'6" HDG(#6) 1960's
Bjarne Fries "The Mahagonny" 8' #4~5 2P with F.I.B.H. ferrule
Bjarne Fries "The Mahagonny" 8' #4~5 3P with F.I.B.H. ferrule
 

フリースさんのマハゴニー、それも、
F.I.B.H.バンブーフェルールの2Pと3Pを、振り比べ、釣り比べてみよう!
というお遊びをしてみました。

そこに、ついでだからってことで、
この写真に写っている竿と、写真は撮っていないものの、

中村羽舟 「竹林」 7'7" #4 2P 竹フェルール
Leonard 49DF 7'6" #5 3P (おそらく1940~50's)
Genius Master Papa 7'2" #4 2P
国内某 7'6" #4 2P 中空

も持ち出して、都合9本の竹竿をとっかえひっかえ投げたり釣ったりしてみました。

 

そもそも、この企画の発端は、
フリースさんが作った同じモデルの、ツーピースとスリーピースとでは、どこがどう違うんだろう?
ということでした。
フェルールの悪影響を極力小さくできるという竹製のF.I.B.H.フェルールを使ったマホガニーを、継ぎ数違いで2本並べる機会ってなかなかないですからね(^^ゞ

で、結論。

この2本は、同じ系統の竿なんだけど、同じじゃない!
それよりも、かなり違う!
って言っていいと思います。

いちばんの違いは、パワー感でした。
2Pの方が、かなりパワーが強く、かつ、竿の持もっている自然なリズム、つまりロッドスピードが速い。
以前フリースさんに、
同じモデルの2Pと3Pはどう違うの?
って聞いたことがあって、
そのとき、彼は、
3Pだと、基本的には同じアクションだけれどややスロー(テーパーじゃなくって、竿の持つリズムのことです)になるよ。
と答えてくれたのですが、
この2本を比べると、3Pの方は、「やや」っていうよりは、「ひとまわり」スローで、かつ「やさしい竿」になっていました。

2Pのマハゴニーは#4~5といっても、どちらかといえば5番ライン寄りのロッドなんですが、3Pはジャスト4番ライン!って感じです。

ただ、この2Pのマハゴニーは、F.I.B.H.フェルールをフリースが開発しているときに僕が直接オーダーしたもので、仕様は当時のスタンダードのままでアクションに注文は付けていません。
それに対して3Pはオークションで手に入れたもので、制作時期も、ファーストオーナーがどういった仕様でオーダーしたのかもわからないので、厳密に同じアクションを求めて作ったのかは疑問です。

この3Pのマハゴニーは、ジャスト4番ライン用として作られているのではないか?
あえて、ちょっとヌードルよりのマハゴニーとして作られたのではないか?
ということです。

それは、ビヤーネ・フリースという凡百のビルダーとは素質が違う、天才といってもいいほどのビルダーならば、同じモデルを作ろうとすれば継ぎ数が違っても、ここまでひとまわり強さが違う、と感じる竿にはならないだろう、と、つい考えてしまうからです。
それは、竿の強さ、速さが違うのに、この2本からは同じフィーリングを感じることからも想像できるのです。

もしかすると、
ビヤーネさんの指向や、モデルのスタンダードが、時の流れと共によりソフトでやさしいフィーリングへと変わってきているのかもしれませんが・・・。

真実は藪の中ですけどね(^^

話は、まだまだ続きます・・・

こんどは、中村羽舟さんの竿について、です。

中村羽舟 「魅了」 7'7" #4 2P 竹フェルール
中村羽舟 「竹林」 7'7" #4 2P 竹フェルール

さて、この2本の竿、どちらも苦竹、そう真竹のことですね、で作られてるんですけど、
同素材で同じスペックだから同じアクションか、って言えば、もう笑っちゃうほど違うんですよ。
「魅了」 7'7" #4は、トルクがあってパワフル。てきと~に振ってもラインはスッて伸びる竿です。
でも「竹林」 7'7" #4 は、非常に優美かつ繊細。竿に任せていればいいのですが、少しでも過剰な力を加えると、ラインは一気に乱れます。
でもね、それって羽舟さんの竿に限りあたりまえのことなのですよ。

羽舟さんにお会いしたときに、桐生のお店にあった竿をかったっぱしからラインを入れて振らせて頂いたことがあるのですが、
どの竿もまったく違う個性があるんですね。
同じ番手、長さの竿でも、二つと同じものがない!っていってもいいぐらい、微妙に違う。

もちろん、そのどれもが、まるで生きているようにラインを操ることができる魅力的な竿なのですが・・・

羽舟さんの創る竿のベースにあるのは、ラインの重さを常に感じられて、そのラインの先に繋がれたフライを目的の場所にスッと置きに行く竿だってことです。
そして、魚を掛けると円弧を描くようにスムーズに曲がって自然に寄せてくる。
よくあるような、単にフライを飛ばすための竿じゃない。

でも、一本一本が個性的で、性格が違う。

あえて言えば、羽舟さんの竿を手に入れようって思ったときは、桐生のお店までお出かけになることをお勧めします。
使う人の技術や性格に合う合わないってことをモロに感じさせてくれる竿ですから。

ただ・・・
羽舟さんの竿は、
その竿の持っている本性を生かして使ってあげる、
ってことがわからない人には、使いこなせない竿のような気もするんですよね~
こっちの勝手な意志だけあっても、ダメなんですよ。
相手に合わしてあげて、その持てるポテンシャルを引き出してあげないと。 


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