SSブログ

GENIUS ROD MAKER & 『新藤流』 [バンブーロッド "Bamboo Rod"]

IMGP2429-500.jpg
"GENIUS ROD MAKER" のバンブーロッドがいっぱい。
なんとなく異質なリールがひとつ混じっているようですが・・・(笑)

IMGP2410-500.jpg
こちらは、#7~8ライン用の高番手バンブーロッド。
メイクはもちろん "GENIUS ROD MAKER"

4月になって最初の週末、"GENIUS ROD MAKER" さん主催の『ジーニスロッドを楽しむレクチャー in 丹沢ホーム』にお邪魔してきました。

これら2枚の写真に写っているロッドを見て、かつて一世を風靡した「某バンブーロッドメーカー」のことを脳裏に浮かべられる方がたくさんいらっしゃると思います。

そう、あの "Pezon et Michel" です。

そして "Pezon et Michel" といえば、S流の「ハイスピード・ハイライン・キャスティング」ですよね。

歴史上さまざまなフライロッドがフライキャスティングの技術の進歩と共に開発されてきました。
それは "Pezon et Michel" に限られたことではなく、E.C.PowellやWinstonの中空バンブーロッドも、より効率的なキャスティングのために創り出された構造だということができます。

ただ、この国では "Pezon et Michel" のロッドはキャスティング、それも「ハイスピード・ハイライン」というひとつのキャスティングテクニック(もしくは、キャスティングスタイル)と切り離すことのできないものとして市場を形成していきました。
簡単にいえば、ロッドとキャスティングをセット販売したわけです。
このマーケティング手法はフライフィッシングやフライロッドについての情報が少なかった当時の日本で爆発的といってもいいほどのヒットになりました。

その結果、フライロッドは "Pezon et Michel" が最高で、
フライキャスティングは「ハイスピード・ハイライン」がベストなんだ、
という考え方がひとり歩きして、「ブーム」になっちゃったんですよね。

「ブーム」はいずれ収束します。
そして、その過程で「アンチ勢力」を生み出していくわけです。
僕なんかは、まさにその典型ですよ。

ダメなバンブーロッドの代表のように言われていた、 アメリカンアクションの"Leonard" でも センターアクションの"Hardy" でも、ちゃんとフルライン出るじゃないか!

だまされた・・・(--#)

なんてね。

あとは、もう一気に "Scott Power-Ply" です(笑)

でもね~、
"Pezon et Michel" と「ハイスピード・ハイライン」は、ダメなロッドと間違ったキャスティングテクニックだったのでしょうか?

もし本当に今でも「だまされた」って思っているのなら、いまさらブログには書かないですよね。
おまけに、僕は "GENIUS ROD MAKER" のロッドを「買った」ユーザーですから(笑)

ここで、僕が思っていることを正直に書いてしまいましょう、

"GENIUS ROD MAKER" のビルダーである新藤さんは "Pezon et Michel" の信奉者であり、ハイスピード・ハイライン・キャスティングの後継者です。
それも「ブレのない本格派」とでも申しましょうか。

そして新藤さんの作る、"GENIUS ROD MAKER" のロッドが "Pezon et Michel" をほうふつさせるのは、その特徴ある外観だけによるのではなく、ロッドを振ったときの振り味の方にあります。
あまりにも外見がよく似ているので「見た目だけペゾン」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はその外見よりもロッドアクションの本質がペゾン、つまり「中身がペゾン」なんですね。

でも、まんま "Pezon et Michel" なデッドコピーというわけではありません。
"Pezon et Michel" のロッドの本質というべきモノ、
つまり「ペゾンの魂」を持った現代のロッドです。
そのあたりは、御本家よりも細くて軽い、しなやかなのにパワーを落としていないブランクに感じられます。

"Pezon et Michel" のロッドは、もはやシャルル・リッツの時代ではなく、当時からは信じられないほどに進化した現代のフライロッド状況の中で、現在のフライロッドと比較しながら観察すれば、ロッドの構成にかなりの過剰というか余分な部分を持っているように感じられます。
ラインに同じパワーを乗せていくにしても、今なら、もっと軽く、しなやかにできるだろう、という感覚です。

"GENIUS ROD MAKER" のロッドが "Pezon" より細くて軽いのは、川が細く魚が小さいというこの国の状況に合わせてロッドのパワーを落としたのではなく、ロッドから不必要な部分を削ぎ落としていったからだと僕は感じています。

それが意図的なモノなのか、結果的にそうなったのかはちょっとわからないですが・・・。

IMGP2427-500.jpg
ウエットフライのテクニックを教える新藤さん。

IMGP2422-500.jpg
僕がさんざんバカにされた魚を、新藤さんがやっつけている・・・(--;)


新藤さんのハイスピード・ハイラインのキャスティング・テクニックですが、

目の当たりにすると今更ながらに目から鱗が落ちました。
僕だって、いわゆるFFF式のキャスティングでそこそこには振れるのですが、
新藤さんのキャスティングを見て、また教えてもらって、

「これは凄い!」

ってコトがいろいろありました。

それも、「投げるためのキャスティング」ではなく「釣るためのキャスティング」ですから、
実際のフィールドで釣りをするときに役に立ちますよ。

まさに、『新藤流』

例えば、「ドライフライ・キャスト」です。
「ストレート・キャスト!」で、ほんの1~2秒の間(実際はもっと短い位かもしれません)ポイントにタイトに打ち込んだフライをドラグフリーで流すテクニックですが、経験を積んだ方ならば、このわずが1~2秒のドラグフリーが魚をフライにライズさせるためにどれだけ大きな意味を持つのかをおわかりいただけるのではないでしょうか。

そのあたりのことは、僕が解説するよりも、
"GENIUS ROD MAKER"のウエブサイトブログを見ていただいた方がいいと思います。

本当は、新藤さんが作る竿を振って、新藤さんから直接教えてもらうことが一番なんですけどね。

 


nice!(1) 

nice! 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。