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カリフォルニア2008 #4 クラマスリバー #3 [釣行雑記・渓流&川、そして湖沼]

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再びクラマスリバーへ、リーダーに付いている大きなインディケーターがわかりますか?

クラマスリバー二日目のドリフトが始まりました、この日もガイドはクレッグです。
ボートランチのあるダム直下のこの辺りはサーモンとスチールヘッドの孵化場があり禁漁区になっています。
スチールヘッドの孵化場(ハッチエリー)があるということは、当然この川にはハッチェリー生まれのネイティブではないスチールヘッドが遡上してくるわけですが、そのハッチェリー・スチールヘッドとネイティブなスチールヘッドとはルールとしての漁獲制限にも大きな違いが設定してあります。
例えばですが、ハッチェリー・スチールヘッドはキープして食べることも認められているのですが、ネイティブはオールリリース、なんてふうにレギュレーションが決められています。

でも、どうして同じスチールヘッドのなのにハッチェリーとネイティブの見分けが付くのか、
ってことに疑問を感じませんか?

スチールヘッドに詳しいガイドが、
「あー、この魚はネイティブやね、こっちのは放流もの」
なんて勝手に判断をするわけではありません。
誰が見てもネイティブかどうかがわかる次のような識別ポイントがあるわけです。

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この魚は、小さいけれど「ネイティブ」スチールヘッドです。

ハッチェリー・スチールヘッドにはアブラビレが無い。

といっても、遺伝的にそうなったなんてわけではなく、全ての放流魚は放流前に人為的にアブラビレが切り取られているからです。ハッチェリーとネイティブの識別のために、ハッチェリーの職員がものすごい労力を掛けているわけです。
これがサーモンの場合だと、こんなに手間が掛かるネイティブとハッチェリーの識別なんていう面倒なことはしていないようです。
天然繁殖でもハッチェリーでも、サーモンは「ただのサーモン」なんですね。

ここに、西海岸に住むアメリカ人のスチールヘッドという魚に対する偏愛が感じられるのです。
客観的に見ると、ネイティブ・スチールヘッドはウエストコーストの釣り人にとってのマストアイテムであり偏愛の対象になっています。

何年も彼らの間にいると、長いファイトの末に大きなスチールヘッドを釣っても、
あ~っ、これはハッチェリーだ・・・
ってことになると喜びも半減するぐらい影響を受けてしまいます。
逆にネイティブフィッシュだと、たとえそれが小さくてもすごく嬉しいんですよ。

でもね、よく考えるとこの国のキャッチアンドリリースエリアのマスとは違って、ハッチェリーとはいっても放流された川で数年、海でも数年間を過ごした後に川に帰ってきたスチールヘッドなんだから、そこまで露骨にハッチェリーを差別する必要はないように感じるんですけど、これってよそ者だからこそ思うことなんでしょうね。

なんて考えながらボケ~っと景色を見ていると、ドリフトボートは禁漁エリアを離れて最初のポイントにさしかかっています。
クレッグが、ライト、ショートキャストと指示するのに合わせて仕掛けを川に放り込むと、ボートの舳先側にいるN氏のオービスがすでに満月に曲がっているではありませんか。
見ているとかなりの引きで大物の予感が。
クレッグはドリフトしているボートを岸に寄せてアンカーを下ろします。
ブラウンがかったクラマスの水を通してチラッと見えた魚体は30インチはありそうです。
寄せてきたスチールヘッドはボートの下に突っ込み、岸沿いの大きな岩の下へ潜り込もうとしています。
ここに入り込まれるとお終いなのがわかっているN氏はかなり強引に取り込みに入ろうとするのですが、バンブーロッドのトルクをもってしてもコントロール不能。
あげくに2Xのティペットを切られてしまいました。

最初のポイントの、しかも一投目からこれですから、
僕の先日のリベンジへの期待はどんどん高まります。


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