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管釣りへ & フリースロッドのインプレッション [釣行雑記・渓流&川、そして湖沼]

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天川みたらい管理釣り場のニジマス

ロッドは、このブログではおなじみの・・・、じゃないかも(笑)
Bjarne Fries "The Pendular 8'6" #4~5 3P with F.I.B.H. ferrule"
Alchemy Model 50
CORTLAND Clear Creek WF5F 

このペンデュラーは5番ラインも使えるようにフリースさんにオーダーしたもので、かれのウェブカタログにある"The Pendular 864" #4をわずかに強くした仕様になっています。
一緒に釣りに行った友人が"The Mahagonny 8' #4~5 3P with F.I.B.H. ferrule"を持っていたので、同じラインウエイトを指定しているこれら2本の竹竿を使って釣りをしながら使い比べていたのですが、この2本はまったく違うフィーリングを持った竿だということがよくわかりました。

ペンデュラーはフリースさんがパラボリックアクションだと言っているモデルで、負荷を掛けると竿全体が同時に弓なりに曲がるという非常に個性的な竿です。
その独特のグッと曲がってブワッと弾き返す感覚とタイミングをつかめないとキャストはメタメタになってしまいます。ムダに力を入れたり振り幅が大きくなり過ぎたりするとラインはまともには飛びません。
しかし、この竿の持つその独特な入力のしかたとタイミングをつかめるようになると、竿が勝手にラインを飛ばすというちょっと不思議な感覚にひたることができます。
またロールキャストの能力が特に優れていて、バックのまったく取れないところからでも、ふつうのロールキャストでかなりの距離までキレイにフライを運んでくれます。この竿でのロールキャストはオーバーヘッドキャストとは違ってすごく簡単です。もちろんシングルハンドスペイ的な振り方だともっと距離は伸びるのですが、タイトにポイントを狙わないと意味がない渓流ではミスキャストが増えてしまいます。
もちろん竿のせいではなく、僕の腕がヘボいからなんですが・・・ 

この特異ともいえるアクションを持つペンデュラーと比較するとマハゴニーはものすごく素直なアクションを持った竿です。
まさにプログレッシブアクションを持った竿の典型と言ってもいいように思います。
そのアクションゆえに負荷を受け入れる範囲が広いので、#4、#5のどちらのラインを使ってまったく違和感がありません。
また適当に振っても竿の方が制御してくれるのでキレイなラインが伸びていきます。
もちろん、いかにマハゴニーとはいえスムーズに真っ直ぐに振ることは必要で、チャクチャ振ったらダメですよ。

このようにまったくアクションが違う2本なのですが、やはり同じ人の手によって作られた竹竿です。
そのフライロッドとしてのいちばん基本的な部分にひとつの同じ感覚をもっています。
それは、使っているうちに使い手が竿を意識しなくなってくる、という感覚です。
フリースが創り出す竿は人の手の動きをナチュラルに増幅してしなり、変な(余計な)バイブレーションがそこに入ることなくスムースでスラックの入らないラインを飛ばしたり(ペンデュラー)、伸ばしたり(マハゴニー)することができるのです。
また、実際に量るとそれなりの自重があるのですが、実際に釣りをしながら振っているとこれらの竿は妙に軽く感じられます。
8'以上の竹竿で一日中振っていて重さが気にならない竿はそんなにはありませんからこの辺りもフリースの作る竿が振っていて気持ちがいい理由だと思います。
この感覚は軽量なF.I.B.H. ferruleによって、より増幅されているような気がします。
ただ、まったく同じモデルでノーマルなメタルフェルールとF.I.B.H. ferruleを比較したことがないので厳密にはわからないのですが。

最後に、この天川管理釣り場のことをちょっと書いておきます。

天川にみたらい渓谷が合流するこの流域は、春から秋のシーズン中はアマゴの渓流釣り場になっています。そのために管理釣り場のニジマスは禁漁になった後に成魚放流されたものでけっして美しい魚体とはいえませんが、渓流の環境はオフシーズンにフライフィッシングができる釣り場としては関西でもトップクラスだと思います。

放流直後だけは淵で入れ食いなんてことがあるそうなのですが、放流から何日も経つと釣り人の攻撃にうんざりした淵の魚はスレッカラシになるし、淵から移動して流れの中に入ったニジマスはそれなりに渓流魚としての本能を取り戻してなかなかおもしろい釣りをさせてくれるようになります。

それでもチビッコはわりと簡単にフライに出るのですが、サイズが大きいものは流すフライにドラグが掛かりやすい、または流れに影響されてフライがそこまで届きにくい、などといった、かなり釣りにくい場所に定位するようになるので、偽餌のフライを食わせるにはそれなりのテクニックが必要になってきます。
おそらく、流れの中でも釣るのがイージーな場所に入ったニジマスは既に釣られちゃってるんでしょうね。

ここのニジマスはドライフライにもけっこう反応してくるのですが、今回はカリフォルニアでガイドに教えてもらったハイスティック・ニンフィングで、速くて深い流れの底からマスを引っ張り出す、という釣り方ばかりしていました。
ハイスティック・ニンフィングとは、浮力のある浮きと重いシンカーを使った脈釣り、とでも説明できる釣り方で、浮力のないインディケーターを使うアウトリガー・ニンフィングに似ていますが、アウトリガーよりもフライをトレースできる距離が長いのでより汎用性が高く効果的な釣り方だと思います。


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